Message 代表取締役 生田 哲史

大学在学中から独学でCADを学び、卒業後は電気制御盤の会社で製造職に従事。30歳で札幌制御システムに入社。
品質管理課、取締役兼営業部長、常務取締役を経て、2022年5月代表取締役社長に就任。

中途の一般社員から代表取締役へ

僕が中途で入った当時は、うちは下請け・孫請けがメイン。
ただ作ればいい、品質は二の次というような状態でした。
こんなんでいいのか、と葛藤しましたね。
今この場所を良くしない限り自分の未来はない、と考えて、せっかくいい工場があるので「ここを大切にして育てて、稼いで生きていくんだ!」と決めました。
元々いた社員たちとは大喧嘩しましたね。(笑)
当時から残ってくれている人たちと、その間に入ってきた人たちは、僕の考え方を理解してついてきてくれている。
これは本当にありがたくて。一緒に頑張っていこうということでやっています。

何年も前のことですが、会社の体制が大きく変わった時がありました。
その当時、もっと自由にしたいと思うあまり会社がバラバラになってしまった。
それで、それまで行っていなかった定例の幹部会議を設けて今の会社の方針や困っていることなどをみんなで話し合って、管理職がちゃんとひとつになった上で、社員たちに落としていく体制を作りました。
他にも、うちはISOという品質管理基準を取っていまして、それをもっと良くするために定例の勉強会を社員と私で行い、品質管理へのモチベーションを高めるようにしたり。
そうしてフワフワしていたものをぎゅっとして、伝え続けてきたことで今では、みんな考え方を理解して自分で動いてくれるようになりました。

まずは自分が(率先して)なんでもやる。
できないことは、できる人に頼って、素直にその人を称える。
そういう姿勢が信頼関係を築くと信じて、いつも心がけています。

出る杭は褒めて伸ばす、独自の教育論

僕の性格的に、(本気でやれば)なんとかなる、いい方向へ進む、違っていたら直せばいい、という考えがあるので、社内的にも、やりたいことはやってみようよと。
チャレンジしていく人間は大好きなので、応援します。

僕は社会人になったときは製造課にいたんですね。
製造課は作っていく過程で褒められるし、最終的に一人で作れるようになると達成感がすごくて、どんどんどんどん喜びを感じて仕事が楽しくなった。
そういった自分の経験から、人はやっぱり褒められて伸びるものだと実感しています。
褒めるのは小さなことからでいいんです。
10教えたうち1でも2でも、まずはできたことを褒める。
それを管理職みんなで頑張ってやっています。

前いた会社が「出る杭は打たれる」会社で、僕もやられてきた。
でも中途でうちに入って、前社長や前専務は僕のやりたいことをやらせ続けてくれた。
僕がそれで育ってきたというのがあるので、「出る杭は打っちゃいかん」と。
せっかく伸びようとしているのだから、一気に伸ばしてあげたいと。
ただね、そこで間違った方向に行った場合は「そうじゃないぞ」とはっきり言います。
叱っている時は嫌われると思うけれど(笑)、いつかわかってくれると思う。
相手をちゃんと見て、心と心で叱る・伝えるんだというのが大切だと思っています。

若い人材を育てるために、管理職を育てる

今は個人によってモチベーションを上げる理由が違うので難しい。
だったら、会社というものをちゃんと再定義しようと。
ただ働いて金を稼ぐところではなく、愛社精神というか、愛着心を育てようと。そうすれば視野が広がって、仲間意識や仕事にもパワーを発揮するようになる。
今後はエンゲージメント(の向上)に本格的に取り組んでいこうとしています。
若い人たちの意見を取り入れて分析して、会社の方針に反映させていくつもりです。

若い人との関わり方は、10年前、いや5年前とももう違っていますよね。
やっぱりね、今入ってくる若い人…特に10代の子たちは大人と関わってきていない。
そんな中で社会に入っていきなり大人と接すると戸惑うし、業務の中で指示や叱りが多くなると当然不安になります。
若い人への接し方は変えていかないといけない。
その辺で、外部の教育機関も利用して、うちは数年前から管理職のマネジメント教育に力を入れてきました。
異業種や他社の考え方を学んで、いい子を育ててもらえるように取り組んでいる最中です。

一人一人が輝ける会社を目指して

うちに来社されたお客様によく言われるんですが、いい会社だねと、社員が楽しそうにしているねと褒めてくださるんですね。
褒められたときは、必ず本人に伝えるようにしています。
そうすると、言われた本人はどんどん輝くようになって、素敵な顔をするんですよね。
現場でも、成功して褒められるといい顔で帰ってくるんです。ニッコニコしながら。
反対に失敗した時は…察してあげて、大丈夫そういう時もあるよと。(笑)

会社は、帰ってきたらホッとできる場所であってほしい。
現場では厳しいルールのなかで働かなきゃいけないので実際にやっと帰ってきた社員はみんなホッとした顔をします。
楽しそうに片付けして「また明日ね」と、工場で笑いあっている。
仕事以外のところでは和気あいあいと、年齢関係なく同じ目線で遊んでなんでも話し合えるような環境が大切だと思っています。

最後に

うちで働くということは、社会のインフラシステムという大きなものを担って世の中のために働いていただくということ。
でもそれ以前に、社員自身が輝けるような職場でいたい。
働いていただける以上は輝いてほしい、それが会社にとってもプラスになる。
働かされているのではなくて、働いてやっているぜ、くらいの勢いで頑張ってほしいなと。うちはもう、そういった人は大好きなので。
チャレンジする人がものすごく大好きなので、頑張って…僕やみんなと一緒に、頑張っていってほしいなと思うんです。